4月教室のねらい 体幹・平衡系 つづき

前回は(http://tomproject.exblog.jp/23805413/

体幹、平衡系のトレーニングを重視して取り組みますという話でした。

まず身体を思った通りに動かせるように、自分の体への気づき、身体感覚を育てる。

体幹をつかう運動や平衡系の運動には、ハイハイや寝返り、左右への動きや回転などがあります。

その他にもたくさんあるのですが、2人組になってするものがあります。

「おんぶ」もその一つです。

一般的に、おんぶのトレーニングのねらいとして、体幹を鍛える・足腰を鍛えるという面があります。
おんぶする側(背負う人)は、もちろんそこもあるのですが、私としては一番のねらいはそこではありません。
身体への感覚、ここを育てるためにしています。

背中で感じる相手の身体、体重、背中への圧、バランス
相手の体重が加わることで、より自分の動き、一歩一歩の情報が身体に伝わってくる

背負われる人も
触覚・皮膚のセンサー
揺れることでの平衡感覚への刺激
移動に・相手に合わせての体のコントロール、バランス調整

体幹を、筋力を、という他にさまざまなトレーニング刺激があります。

そして、おんぶを始め、相手と一緒にする運動で必要なのが、相手とのコミュニケーション

まず相手をみつけるところから
「いっしょにしようよ」とすぐにペアをつくる子
なかなか動かない子
知らない人ともどんどんできる子
決まった相手としたがる子
さまざまです。
相手が決まっても、すぐに取り掛かるペアもいれば、なかなか始まらない人たちも

始まってからも、なかなか
高学年生でも、おんぶが上手くできない子がいます。
背負うのも、乗るのもどちらも
タイミングよく跳びつけない・載せられない、位置の調整ができない

そんなに腰が高かったら相手が乗れないよ
そんなに背中が丸まってたら乗りにくいよ
そんな子もいます

もっと背中をこうして、高さを変えて、ということも自分たちで考えて取り組ませたいので
上手くできなくても、やり方の指示はせずに、そのまま自分たちでさせます。
低学年の子など、危ない・難しい時にはサポートしたり、ペアの相手を変えたりします。

色々な相手とすることで、コミュニケーションにもなりますが
それぞれの体重、大きさ、重心バランスが違いますので、トレーニング刺激としても、違う相手とすることで変化があるのは大切です。

「このメニューは足の筋肉を鍛えていますよ、バランスを強化していますよ、体幹の筋肉に負荷がかかりますよ」

トレーニングで体を鍛える、負荷をかける、というねらいだけでなく、それに取り組む過程全体を考えています。

体幹・平衡系に刺激を入れるのと同様に取り組むのが「鬼ごっこ」です。
鬼ごっこなんて普通に遊ぶときにしているだろうと思われるかもしれませんが
おんぶが「できない」のと同じで、鬼ごっこが「できない」場合も多いです。

周りの状況を認識する、鬼の動き、周りの人、物、場所
人の動きを見ながら、鬼との距離や動くタイミング、走る方向や場所を考えながらしているか?

鬼が複数になったり、ルールが組み合わさったり、さらに鬼ごっこから発展させたゲームになると
さまざまな判断、作戦、コミュニケーション、戦術的な思考など
走る、体力的な要素だけでなく、総合的な能力が必要になります。

さまざまな要素、総合的な能力を伸ばすために取り組むのですが
今回の鬼ごっこが「できない」はさらに前の段階も含みます。

年齢・段階にもよりますが
小さいうちは周りがよく見えず、とにかく逃げます。

この「とにかく逃げる」
夢中になって逃げる、必死に逃げるというのが、足りていないことが多いように思います。

タッチされるのがイヤだ、遅いからやりたくない、どうせ負けるから、そんなことを言う子がいます。
これはいつから言うようになったのか、元々そう言っていたのか。

タッチされたらくやしいでしょうし、負け続けたらつまらなくなくなるかもしれません
しかし本来、勝っても負けても関係なく夢中になってするものだと思います。
鬼ごっこ、追いかけっこができるようになってきた子は、どんなふうにしているでしょうか。
おそらく無条件に楽しんでいると思います。

なぜ嫌いに、苦手になってしまうのか

「他の人より、足が速いから・上手だから・勝つから・できるから、すごいね・えらいね・かっこいいね」
逆に「人より足が遅いから・下手だから・負けるから・できないから、ダメなんだ」
そんな価値観、評価を大人がこどもに与えてしまっているのではと感じます。

褒めるのがダメということではなく。
速いのも、上手なのも、勝つのも、できるのも、すばらしいことです。認めて褒めてあげるのは良いのです。
ただ、相手に伝わっているのが、自己肯定感を高めるものなのか、周りとの比較で優劣を感じるものになっているものなのか、気をつける必要があると思います。

足が遅いな、下手だな、弱いな、勝てないな、だめだな
なんでできないんだ
このくらいできないとだめだよ
他の子はできるのに
そんなふうに思っている、その人の価値観や想いは必ず伝わると思います。

褒めるのは大事です。その技術や勉強も必要です。
ただ、褒めることで、のせよう、おだてよう、ご機嫌をとろうとするのであれば、それはあまり良くないのかなと思います。

小さいこどもでも、こどもだからこそ、大人以上に感じる・理解すると思います。
こどもだから、わからないだろう…わかります
こども扱いするな、こどもを甘く見るな、馬鹿にするなという気持ちがあるかもしれません。
心から凄い!嬉しい!と思って出た言葉か
上手く褒めよう、のせよう、コントロールしようと思って言っている言葉なのか

鬼ごっこのトレーニングに話を戻すと
幼児でも小学生でも「夢中になって逃げる、必死になって逃げる」ここをまずしっかりしようと考えています。

自然界、動物であれば、危険から逃げる、敵から逃げるのは生きるためにしなければならないことです。
食べものを見つける、獲物を捕らえるということも
危険を見つける・察知する、逃げる、隠れる、身を守る
獲物を狙う、追いかける、捕まえる

「食べる」ことと同じように、「走る」ことは本能です。
生きるために必要な能力、本能的な活動である、走る、逃げる、追うということ
この力をしっかりつける
本来の力、能力を目覚めさせる

夢中になって、必死になって
「タッチした!」「されてない!」

ムキになって、本気になって

それを楽しんで、取り組んでいきたいと考えています。

高橋

NPO法人健康づくりフォーラム
【ホームページ】http://www.hp-forum.jp/

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by hpf-tom | 2017-04-16 07:58 | 2017年度 | Comments(0)