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「逆立ちも」できるのか「逆立ち(だけ)は」できるのか

スパルタ式保育園で、逆立ち、バク転、跳び箱ができるようになったのに
卒園して、小学校3年生くらいになると、大半の子は「逆立ちすら出来なくなる」
なぜなら義務教育だから
跳び箱も一段からスタート
周りのヌルい環境に適応してしまうから
〇〇も環境が大事なのだ!
と、幼児教育を例にして、環境の大切さを説明しているのを目にしました。
(体育関係ではなく、まったく別分野の専門の方の話です)

こういった話に対しては
「そーだ、そーだ、小学校の教育が悪いんだ」
「小さい時からもっと鍛えないからだめなんだ!」
「学校だけではダメだ、スポーツ教室に行くようにしないと!」
というような考えもあるようです。


さて、なぜ「逆立ちすら出来なくなる」のか?

小学校で練習しないからでしょうか?
できるようになったのに?
たしかに時間がたつとできなくなる、忘れるものもあります。
漢字、算数、英語などの勉強も
鉄棒、昔はできたけど、お腹が出て動けないということもありますね。
「自転車に一回乗れるようになると乗り方を忘れない」というのは学習や記憶の説明として例によく挙げられます。
一度覚えたはずの運動がなぜ出来なくなるか、下手になるのか。

小学校に入る前に逆立ちも跳び箱もバック転もできるのだから、全員体育がすごく得意、小学校でものすごく活躍するはず。
しかし、そうでもない。
小学生になって練習しないからなのか。
たしかに学校の体育にも多くの課題があるでしょう。
でも逆立ちくらいだったらどこでもできます。体育の時間なんかはできる子は勝手にしているはず。
そんなに出来なくなる、忘れるようなものでしょうか。

逆立ちも跳び箱もバック転もできるのだから、運動神経?バツグン?
逆立ちも?跳び箱も?バック転も?
逆立ちだけ?跳び箱だけ?バック転だけ?


「も」でしょうか「だけ」でしょうか


逆立ちの練習で、逆立ちだけ出来るようになっている

開脚跳びの練習で、開脚跳びだけ出来るようになっている
バック転の練習で、バック転の技能だけ上達しています

何を当たり前なことを?
それが練習?


似た技能、関連する運動もありますが

ひとつの運動の完成度を高めることと、運動能力が高まることはイコールではありません。


さまざまな運動能力や技能を獲得しながら、その運動も「できる」ようになるのが

「逆立ちも」できる状態
特定の運動ばかり、スポーツの練習を繰り返して、その運動が「できる」ようにすることは
「逆立ち(だけ)は」できる状態

というとわかりやすいかもしれません。


丸暗記で、道のりと速さと時間の計算式を覚えて答えが出せるのと

こう考えたら良いのでは?こうしたらどうなるか?なるほどそういうことか!と距離や時間の概念を理解しながら、答えを導き出すことができる。

どちらが本当に理解しているでしょうか。数学的力がついているでしょうか。その後の学習の伸びはどうなるでしょうか。

ある程度なら丸暗記的学習でも通用します。

しかし、ある程度で頭打ちになります。


幼児期の学習は、限られた運動のみに特化してするべきではありません。

競技能力の高い選手になるためには、さまざまな要因があります。
体操競技などは特に、小さい時からそれらの運動を経験しておくことや、できる環境があることは大事であると思います。
幼児の時から体操に親しむことはもちろん、好きになったのならそのまま継続して取り組めることは良いことです。

しかし、体操競技であっても、早くから特定の種目を完成させることを目的に練習をするのは、将来の競技成績を考えても良くないと思います。
跳んだり跳ねたり回ったり、これらは体操競技そのものの動きでもあると思いますが
いろいろな動き、体操に必要なさまざまな運動能力を広く身につけて育てていくことが重要ではないでしょうか。
特定の技の完成度を高めるのはもっと後、幼児期にすべき練習・学習のしかたではない。

幼児なのに、早くに出来ると、すごく見えます
天才とか、スーパーキッズとか言われます

逆立ち「も」できる、跳び箱「も」できるのは良いです

逆立ち「しか」できない、跳び箱「しか」できないのは違います


体操や運動に限らず、その時期を過ぎると、学習や習得がむずかしくなるものもあります。

しかし体操競技であっても、高校や大学から始めても素晴らしい競技能力を身につける人もいます。


赤ちゃんが
早く歩いたから、将来足が速いか
早くしゃべったから、頭が良く?なるか

とにかく早く、早く。小さいうちから鍛えよう、練習しよう、という考え
ちょっと単純すぎる例えなのですが、、

陸上100mだと
小学生で12秒!だから
中学生になったら11
高校生になったら10
このままいけば9秒台

野球だったら
130km/h
投げるスーパー小学生
中学校で140km/h
高校で150km/h
まちがいなくプロに入って160km/h

こんな考えのように感じます。
そんなに単純ではありません。

小さいときには広く、広く。
教え込むのではなく、自分から学ぶように。

運動は本来、自然のなかで遊び、身体を動かし学んでいくものではないでしょうか。

高橋
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by hpf-tom | 2017-03-26 21:05 | カテゴリなし | Comments(0)

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